WiMAXは最新機種であれば同時に16台まで接続可能になりますが、さすがに接続台数が増えても1台接続の時と同じスペックで使えるわけではありません。手持ちのデバイスが多い場合や、家族で1つのWiMAXを使おうとしている方には、ホームルーターL02がおすすめです。ホームルーターL02は同時接続デバイス数が最大40台と、モバイルルーターと比較し、かなりのパワーがあり、小規模のオフィスでも使われたりしています。
さらにL02は有線LAN接続時に下り最大1Gbps、無線接続時でも867Mbpsに対応しており、スペック上は旧型のホームルーターHOME01の約2倍も高速です。しかしながらこの速度はあくまでハイスピードプラスエリアモード(月間通信量7GBまで)を使った時のものなので、接続台数が少なく利用時間も短いときにのみ使えるものになります。通信量の上限がないハイスピードモードだけで比較するなら、L02のカタログスペックでは558Mbpsまで下がるため、純粋に接続したい台数で比較しても良いと言えます。
同時接続を考えている方には、元々通信速度がより速い機種を選ぶのが最適と言えます。なぜなら同時接続台数が増えれば増えるほど1台あたりの通信速度が劣る可能性が高いからです。
WiMAXにおいて、1台のルーターが1秒間あたりに送受信できるデータの総量は決まっています。
仮にルーターの最大データ総量を10として考えてみましょう。1台の接続で利用しているときには、この総量のすべてを利用できるため、10を独占できますが、2台を同時に接続した場合には、ルーターのデータ総量10を2台で分け合うことになり、データの送信スピードは半減してしまうことになります。
ここで重要なのは、接続する台数が増えれば増えるほど通信速度は下がっていくということです。2台で接続した場合にはまだ余裕があり、比較的スムーズにインターネットを楽しむことができますが、10台前後を同時接続すると回線がパンク状態になってしまい、通信制限さながらの通信速度にまで低下してしまう場合があります。同時接続した場合には通信速度が下がることになりますから、なるべくルーターに負担がかからない使い方をするように心がけましょう。
WiMAXは複数の端末から同時に通信を行うと通信速度が下がってしまいますが、実はこれを過剰に心配する必要はほとんどありません。通信速度が下がるのは、あくまでも同時に通信のやり取りを行っているタイミングに限られますから、接続が被ってしまうという現象はそう頻繁に起こらないのです。全員がずっとダウンロードやアップロードをし続けている、もしくは検索し続けている、なんて状況は滅多にないことかと思います。どういう時が通信しているタイミングかと言うと、例えば、スマホでウェブサイトを読むという場合を例にとった場合、通信が必要になるのはウェブサイトを読み込むまでの間のみです。
つまり、一度ウェブサイトが表示されてしまえば、それを読んでいる間に新たな接続が行われることはなく、待機状態ということになります。この間に、同じルーターに接続した別のスマホでデータ通信を行ったとしても、接続が二重になるということはなく、通信速度を低下させずに双方でインターネット通信を楽しめるということになります。短時間の動画に関しても同じことで、スマホやパソコンに一時的なダウンロードが完了してしまえば、ずっと通信が続くことはありません。注意すべきなのは、一定の時間毎にデータのやり取りを行うストリーミング形式の動画を使用する場合です。複数台の端末で動画配信サービスを視聴すると、常にデータの送受信が行われる状態になりますから、このケースでは通信速度が低下してしまいます。
WiMAXの多くの機種では、持ち運びできるモバイルWi-Fiルーターの場合には最大で10台までの同時接続が可能になっています。ただし同時接続の台数は機種によって異なっており、最新型のW06では16台までの同時接続が可能です。ルーターの小型化・高性能化は急速に進んでいますから、今後さらに多くの同時接続を可能にしたルーターが登場する可能性もあるでしょう。より多くの同時接続を楽しみたいという場合には、据え置き型のホームルーターを利用することになります。こちらは自宅外で利用することが不可能なタイプのルーターですが、その代わりに同時接続可能な台数が増え、L02では最大40台までの同時接続でWi-Fiを楽しむことができます。
しかし冷静に考えれば、最大同時接続は10台程度なら十分に対応することが可能でしょう。パソコン、スマホ、ゲーム、プリンター、タブレットの全てに接続したとしても5台で、まだ十分な余裕があります。外出中に5人でWi-Fiを共有したとしても、5台分の接続が余る計算になります。また、同時接続中に一斉にネット通信を行うと、通信速度が遅くなってしまうというデメリットもありますから、同時接続可能数は必ずしも多ければ良いというものでもありません。